国民にとっては突然の話でしたが、天皇陛下が、生前に天皇の地位を皇太子様へ引き継ぎたい意向であるという報道がありました。
もう82歳ですし、一般人でいえばとっくに現役引退している年齢ですので、本人がそうおっしゃるのなら、もう良いんじゃないの、と個人的には思います。

過去にはがんを患い、心臓のバイパス手術もされているお体です。
最近では、熊本地震での慰問のお姿が印象的ですが、テレビで拝見していても、ああいった地方への慰問や諸外国への訪問は、かなりしんどそうに見えます。

最近200年程ではない天皇の生前退位ですが、過去の天皇制の歴史においては半数近くが生前に譲位しているそうですし、諸外国でもよくある話のようです。
ただ、現行の憲法や皇室典範には、天皇の代行として摂政(歴史で習った?)を置く規定はあるんですが、存命中に皇位そのものを譲る規定は無い為、実現させるには、法律の改正か特別立法が必要とのこと。

もう法律変えちゃって良いんじゃないの?って思うんですが、いくつか問題あるようです。
生前退位を無制限に認めると、そもそも不就任の自由も認めなければならない問題が出てくるとか。

皇位継承に関して、時の政権や周囲の関係者等の恣意的な思惑が影響するとか。
石原元都知事も“国民生活に大混乱を起こす!”って言ってます・・・。

でも、現行法での天皇は“象徴”としての存在にすぎません。
皇位継承に関して、多少思惑や恣意性が入り込んでも、大した問題では無い気がするのは甘いんですかね。

それに、いつ皇位や元号が変わるかハラハラするより、世の中の情勢を見ながら粛々と皇位継承したほうがよっぽど国民生活には混乱が無い気がします。
思えば天皇って、日本人の中で唯一人、職業選択の自由や表現の自由といった基本的人権が思いっきり制限される特別な存在です。

農家の長男だって、商売人の家の一人っ子だって、自分の強い意志があれば家業を継がない選択は可能ですが、天皇家の長男の場合、憲法でもって天皇を継がないとダメって言われちゃう訳です。
一定の法律の制限は必要かもしれませんが、せめて辞めるタイミングくらい自分で決める自由があっても良いような。

そして辞めた後の余生は、日本人として当たり前に基本的人権を得て、少しでも自由な時間を過ごして頂けたら、と思わずにはいられません。
それにしても、参院選直後に、こういう憲法改正にからむ話題が突然出て来た事には、若干違和感がありますね・・・。