東京都が1000億円を出資している”新銀行東京”が経営危機に陥っています。
発行済株式の84%が東京都である”事実上東京都が作った銀行”ですが、これをを救う為に東京都がさらに400億円の追加出資をするそうです。

関東エリア以外の人間にとっては、そのネーミングから言って”何それ?銀行なの???”って話かもしれません。
そもそもこの”新銀行”は、石原都知事の”資金調達に悩む中小企業を救済する”という理念で誕生したものです。

設立構想当時はバブル崩壊の影響で、銀行の”貸し渋り”や”貸はがし”が大きな問題となっており、東京都が自ら銀行を作って”中小企業を救う”という理念自体は大変素晴らしいものだったと思います。
しかしながら・・・。

2007年11月の中間決算で、累積赤字が936億円まで膨れあがり出資金全体の8割に迫っています。
いや~、悲惨としか言いようが無い状況ですね。

2005年4月の実質開業から、たった2年半で出資金の8割近くが消えてしまってるなんて!
100万円で買った株が、たった2年半で20万円になっちゃった訳です。

しかも、今現在も赤字は増え続けているようですから、正直、この2008年3月末時点では紙くず同様かもしれません。
この紙くずみたいな株をさらに40万円買う人がいるんでしょうか?

いたんですねえ。
石原都知事です。

いや~~~、チャレンジャーとしか言いようが無い。
個人的には、石原都知事は嫌いじゃないんです。

政治家には決断力と実行力、さらにカリスマ性が必要だと思うんで、こういった資質を兼ね備えた数少ない政治家だと思っています。
口先だけで”中小企業を救う”とのたまう知事や政治家はゴマンと居ますが、実際に銀行まで作っちゃった人はこの人くらいですから。

欠点だらけの性格や人間性は置いといて、やはり大したもんだと思うんですね。
しかし、この”新銀行東京”は明らかな失敗でしょう。

それも都民の税金1400億円が消えてしまうかもしれない”大失敗”。
言い訳はいろいろあるでしょうが、ここは潔く身を引くくらいの”決断力”が欲しいですね。

当時の新銀行の代表者のせいにばかりしているコメントを見ていると、石原さんの値打ちは下がる一方だと感じます。
それにしても、たった2年半で8割のお金が消えちゃうなんて。

もう笑うしかない・・・。