毎日新聞等の先週の報道で、金融機関が中小企業などに融資する際の、連帯保証に関する金融庁監督指針が改正される見込み(?)というものがありました。
経営に直接関与していない第三者による個人連帯保証を、原則禁止にするという内容です。

一般の個人の方にとっては、会社の借金の連帯保証人になるという事自体、馴染みのない話かもしれません。
しかし中小企業が金融機関から借り入れを行う際、社長個人はモチロン、社外の第3者を連帯保証人にとるという事が、わが国では当たり前のように行われてきていました。

しかもかつては“包括根保証”と呼ばれるタイプの連帯保証までありました。
この保証の場合、原則として金額や期限のしばりがなく、青天井で無期限に借金の保証人になるというかなり強烈なものです。

中小企業の社長個人が会社の為に連帯保証人になるのは、ある意味会社と一心同体ですので、本人も納得ずくかもしれません。
しかし、社長の兄弟や遠い親戚や知人が連帯保証人になっているようなケースも多くあります。

連帯保証人になる人も“ある程度の覚悟”はしている場合がほとんどでしょうが、会社経営の場合、予期せぬ巨額の負債を抱え込む事があります。
小説やドラマだけではなく、ある日突然、連帯保証人になっていたおかげで大変な事態に巻き込まれるというのは現実にある話でした。

保証人にしてみれば正に寝耳に水の話で、連帯保証の限度に関する裁判に発展する場合もあります。
今回の改正は、こういった不幸な事態にならないよう金融機関を指導するものです。

ただこの改正によって、現状でも厳しい融資環境がさらに厳しさを増すとなるとしたら、中小企業にとって良い話なのかどうかは微妙かもしれません。
貸す側の心理からいうと、第三者が保証してくれているほうが間違いなく貸し易いですから。