先日、配偶者控除の廃止がいよいよ本格的に検討されると書きましたが、このところ各種メディアでも大きく取り上げられています。
まだ9月という時期から取り上げられているのは、それだけ世の中の注目が大きいということでしょうね。

ただ、メディアの報道を見ていて気になるのは、所得税(国税)の配偶者控除廃止の話ばかりで、住民税(地方税)の配偶者控除(33万円)も無くなる可能性が有る事にあまり言及されていない点です。
過去の歴史を見ますと、子供手当とひきかえに所得税の16歳未満の扶養控除が廃止された際、なぜかついでに(!?)住民税の扶養控除(33万円)も廃止されています。

女性の社会進出を促す為に103万円の壁を無くすのが建前(?)の今回の議論ですので、以前と同様、ついでに住民税の配偶者控除もなくしてしまう事は十分に考えられます。
そうなりますと増税の影響は、倍以上にふくらむ可能性があります。

具体的な増税額は、年収に加えて、家族構成や社会保険料の支払状況等によって人それぞれです。
敢えて一般的な水準でざっくり言いますと、男性サラリーマンの平均給与収入が5百数十万円という国税庁のデータがありますので、その辺りの場合の所得税の累進税率は5%か10%のレベルですから、
所得税の配偶者控除の廃止だけで、1万9千円~3万8千円の増税です。

ついでに住民税(一律10%)の配偶者控除も廃止されると、合計で5万2千円~7万1千円の増税に跳ね上がります。
年に2万円弱の増税と思っていたら、実は5万円以上の増税になったというケースも有り得ますね。
(ちなみに、所得が多い人は最大で20万円余りもの増税になります。)

モチロン、単に廃止するだけでは単純な増税になって選挙で負けてしまいますので、“夫婦控除”というものに置き換える案が有力のようですが、果たして公平で中立な改正が行われるのかどうか・・・。
影響のある配偶者は1500万人にものぼるらしく、世帯内の人数で言えば数千万人に影響の出る大改正ですので、興味津々です。