大阪地検特捜部は28日、大阪の西税務署の上席調査官・平良辰夫容疑者(43)と国税OB税理士である細名被告を法人税法違反(虚偽答弁)容疑で逮捕しました。
現役の国税調査官が、税務調査でウソをつくよう指導(?)していたようで、さらに税務署内部の資料を外部に漏らしていた疑いも持たれているそうです。

報道によりますと、平良容疑者が20年前に東大阪税務署に勤務していた当時の先輩が細名被告だったそうで、税務署を辞めたかつての先輩へ便宜を図ったり内部情報を漏らしていた、という事でしょうか。
一方の細名被告は、今年の3月頃に脱税を指南したとして初めて逮捕されて以来、数々の脱税行為等が明るみになり何度も再逮捕されているという、相当なツワモノ(?)です。

脱税指南もさることながら、それで儲けたお金を更にお金の無い会社へ貸し付ける金融屋さんのような事までしていたようです。
西宮にある細名被告の自宅も、“一戸建ての自宅は貸付金の利息で購入した”などと本人が言っているようで、マンガのナニワ金融道みたいな話です。

更にこの細名被告、税務署勤務時代には、国家公務員法に違反したとして平成10年に懲戒免職になっています。
ところが、退職後に国税OBとしてちゃっかり税理士になっています。
税務署で不法行為を行いクビになった人が、退職後は普通に税理士になれてしまうという税理士制度ってどうなんでしょうねえ・・・。

今人気のテレビドラマ“半沢直樹”にも国税調査官達が登場していますが、この国税OB 税理士の細名被告の数々の行状を聞くに、ドラマを上回るくらいの悪役っぷりで、いやあ、本当にこういう人いるんだなあと、思わず笑ってしまいました。

補足。

あまり知られていませんが、税務署に23年以上勤務すると、退職後には税理士になれるという特典(!)があります。
そのようにして税理士になった人の事を、一般に“国税OB税理士”と呼んでいます。
細名被告がどのようにして税理士登録したかまでは公表されていませんが、税務署を退職後の40歳代後半から試験勉強して税理士になるケースはほとんど無いと思うので、職歴を根拠に税理士登録したのではないかと推測しています。