米自動車最大手のゼネラル・モーターズ(GM)が、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を1日に申請する事となりました。
新生GMには、アメリカ、カナダの両政府が計396億ドル(約3兆8000億円)の追加金融支援を実施し、GMは両政府が72%を出資する政府管理企業として再出発するとの事。

GMの連結ベースの資産規模は三月末時点で約823億ドル(約7兆8000億円)。
米製造業の破産法申請では過去最大、金融業を含む米企業全体でも過去4番目の規模となるそうです。

紙の上のお金の算数では過去4番目の規模かもしれませんが、自動車産業は関わっている企業や人間の数が膨大ですから、現実的には過去に例を見ない規模の破綻と言えるかもしれません。
ただ、“破産しちゃった!!!”と言っても、会社が消えて無くなる訳ではないです。

破産という言葉からすると、全ての財産を売っぱらって借金を返し(当然、全部は返せませんが)、ハイ、おしまい、で跡形も残らない清算型の破産をイメージする事が多いでしょう。
しかし、今回のGMやクライスラーは、裁判所の管理下で、債務を圧縮するとともに事業のリストラを進め一からやり直すという再生型の破産です。

綺麗さっぱり無くしてしまうには、あまりにも大きすぎると言う事ですね。
恐らく数ヶ月前からの予定通りのシナリオで、オバマ政権は実に上手にソフトランディングしたような気配が漂っています。

少なくとも、ブッシュ政権からの交代後、そのままダラダラと何兆円もの税金を垂れ流し続けるよりは良かったと言う事でしょう。
現実にはこれからの再建こそが本当の正念場ですが、個人的には、クライスラーと同様に他の自動車メーカーとの提携や合併は不可避なのではないかと思っています。

何はともあれ、やれやれ・・・これで一区切り、という感じでマーケットも好感している(まだアジアだけですが)ようですね。
まったく関係の無い私も、なんとなく、やれやれ・・・、な気分。

この2009年6月1日が、100年に一度と言われるサブプライム不況の“底”である事を祈ります。