今週、携帯電話会社大手3社の中間決算が発表されました。
ソフトバンクとKDDIは増収や増益であったにもかかわらず、最大手であるドコモは減収減益でした。

ドコモはここ数年ずっと調子が悪いのですが、昨年から念願のiPhoneの取り扱いを始め、いよいよ今期から巻き返しかと思いきや、業績は相変わらずです。
ただ、相変わらずの業績でも、その中身には大きな変化があります。

なんと、4月~9月のドコモの契約者純増数は119万件で、3社でトップでした。
昨年同時期の純増数のトップばソフトバンクの158万件で、ドコモはぶっちぎり最下位の23万件だったのに、見事大逆転です。

いやあiPhone効果って凄いねえ、と本当は喜ぶべきところですが、何故か減収減益・・・。
契約者が増えてるのに、減収減益って不思議???いやいや、当たり前だと思うんです。

ドコモは今期から、毎月2700円で通話し放題という、新料金プラン“カケホーダイ”というものを導入しました。
ビジネス利用等で毎月の通話料が1万円を軽く超えるレベルの人にとって、2700円で通話し放題というのは非常に魅力的で、このプランに高額通話利用者は殺到したと思われます。

10月にはカケホーダイ契約が1000万件を超えたそうで、他社が追随するのが遅れたのもあって、おそらくソフトバンクやKDDIの高額利用者も結構移ってきたと思います。
でも、今まで毎月何万円も支払っていた上得意様が、毎月2700円しか払ってくれなかったら、会社としては減収減益になるに決まってますよね。

まあドコモとしてもそれは最初から分かっていたはずで、その対策として、ドコモでLTEの新規契約や機種変更をする際は、原則としてこのカケホーダイを契約しなければならないような施策をとりました。
前にブログでも書きましたが、日本の一般の携帯電話利用者の毎月の通話料と基本料の合計って、平均すると千数百円ですので、普通の利用者にとって毎月2700円は単なる値上げです。

つまり、当初は減収減益になりますが、じわじわ普通の利用者の機種変更や新規契約で基本料金が上がり、なんとかトータルの利益は確保できると予測しているのでしょう。
ドコモらしからぬ思い切ったギャンブルでしたが、どうも大失敗な予感がします。

何故なら、通話を大してしない普通の利用者は古い契約を継続し続けるでしょうし、どうしても新機種のスマホにしたい人は、旧プランでも契約出来るソフトバンクやKDDIに行ってしまうと思うからです。
住んでいるエリアや思い入れからドコモを使う人は一定数いるでしょうが、このままだとドコモはどんどん1人負けが続くのではないでしょうか。

カケホーダイを今更止めるわけにはいかないので、取り敢えずは旧プランでの新規契約を復活させるしかないように思いますが・・・。
ま、余計なお世話のブログでした。