先日、全国20万隻もの漁船が一斉に漁を見合わせるという事態に至りました。
燃料価格が急騰しているものの魚価は上がらないという、漁民にとって今の状況が死活問題であることをアピールすることが狙いのようです。
日本の漁業の場合、操業コストに占める燃料代の割合が高く、原油高の影響が非常に大きいようです。
一方で魚の流通に関しては、昔ながらの仲買人による一方的な価格決定の仕組みがあり、魚の値段はなかなか上げられないとか。
東京では全国から漁師ら約4千人が集まり、政府による燃油高騰分の直接補填などを求め大会を開いたりもしたようです。
いや~、漁師さん達も大変ですね。
ただ、原油高で苦しいのは漁業だけではありませんので、国が直接助けるのは難しいでしょう。
トラックやタクシーと言った運送関係もガソリン高で大変です。
魚の値段が上がらなくて辛いでしょうが、宅急便の値段も上がってません。
と言うより、日本の全産業で原油高の影響を全く受けていないものはほとんど無いかもしれません。
ここで漁業だけを国が助けたら、他の産業も黙っていないでしょう。
(全国の産業団体で”一斉休業ブーム”が起こったりして・・・。)
”もうやっていけない!”という非常に厳しい目先の部分に関しては、国に助けを求めるのも仕方ないです。
しかし燃料高騰によるコストの増加は、魚の価格に反映させるような流通の仕組みを整えないと根本的な解決にならない気がします。
また今後の事を考えると、オイル頼みの日本の産業構造や個人のライフスタイル自体も見直す必要があるかもしれません。
産油国や投資ファンドの思惑に左右され、”第○○次オイルショック”のたんびに大騒ぎするのはウンザリです。
まあ、簡単には解決しない難しい課題ですが・・・。