前原誠司国土交通相は9日、高速道路の料金割引について、休日限定の割引制度を見直し、新たに上限料金制度を発表しました。
西日本、東日本、中日本の各高速道路会社管内では、軽自動車を上限千円まで、普通車を2千円まで、とするようです。

産経新聞によると、現行割引の多くが廃止されるため、大半の利用者にとって実質的には値上げになるとみられるとか。
高速道路を無料にする!と言って選挙で勝ったのに、現状維持どころか値上げしちゃうんですねえ・・・。

確かに最近の世論調査では、高速道路を無料にしなくてもいいという意見が多数のようです。
でもこの世論、“高速を無料にしたら、渋滞が増えて環境に悪い!”とか、“自動車のCO2が増えて温暖化を助長する!”などという、土建業界や国土交通省の上手なプロパガンダが効いている気がします。

でも、本当に全国の高速道路を無料にしたら、環境に悪いんでしょうか?
渋滞が増えて、CO2が増えるんでしょうか?

私が単純なのかもしれませんが、普通に考えると逆のような気がします。
高速の渋滞は増えるかもしれませんが、その分当然一般道を走る車は減り、一般道の渋滞は緩和されるのではないでしょうか。

結果として、日本全体での渋滞は緩和され、トータルでの自動車からのCO2排出は減ると考えるのが普通じゃないでしょうか。
少なくとも、今より無料で走れる道路が増えるのに、日本全体でのトータルの渋滞が増えるなんていう算数はありえないと思うのですが・・・。

今回の“土日だけ”無料のキャンペーンのおかげで、連休や週末に高速が渋滞したのは事実でしょう。
せっかく千円になったんだから、“ちょっと一回車で遠出してみよう”というレベルで、レジャー等における車の利用自体が増えたかもしれません。

でも、土日だけじゃなく、永遠に全国無料だったら・・・。
週末や連休への集中も緩和されるでしょうし、“せっかく千円だから車で行こう”という人も、常にタダなら、特に動機付けにはならないでしょう。

若者の車離れが叫ばれ、新車販売台数が毎年落ち続け、高齢化が進行する日本において、高速を無料にしたからといって、やみくもに国民が車の利用を今より増やすとはとても思えません。
今回の土日千円キャンペーンでも、“せっかくだから2、3回は利用してみよう”くらいの人がほとんどで、恒常的に車の利用が増えたということは無いのではないでしょうか。

そもそも高速道路は、利用料金で建設費を償還し、いずれは無料の道路となるのが建前です。
財源等の問題で今すぐ全国すべてを無料にするのは無理にしても、高速道路の無料化自体が悪であるかのような論調には大きな違和感を感じます。