iPadの発売で、にわかに騒々しくなってきているのが書籍の電子化です。
書籍の電子化というと堅苦しいですが、要するに、紙の本や雑誌を電子データに置き換えて、iPadやパソコンの画面で読んだり、紙の本ではなくデータとして売買したりする事です。

既にアメリカではかなり書籍の電子化が進んでおり、書籍通信販売大手のアマゾンでは、キンドルという専用の端末で書籍の“ダウンロード販売”が普通に行われています。
日本でも、過去に何度か紙の本や雑誌を電子的な方法で販売したりする試みがあったようですが、著作権や出版業界の利権の問題等々もあって思うように普及は進みませんでした。

しかし今回のiPadの人気で、日本でも一気に書籍の電子化が加速しそうな気配です。
紙の本や雑誌も“味わい深い”し、なんといっても紙をめくって読むという行為に浸ってきた体にはかなり違和感があるかもしれませんが、これも時代の流れですね。

紙の本や雑誌が電子化されれば、なんといっても物理的な保存スペースが要らなくなりますし、多くの本を持って歩く運搬の手間もなくなりますし、紙をつくる為に森林を伐採する必要もありません。
いろんな本のいろんなページをめくって何時間も調べ物をしていた作業も、電子的な検索方法でかなり短時間に、しかも肉体的な労力を要せずに行えるでしょう。

学校の教科書をランドセル一杯に詰め込んで登校する必要もなくなるでしょう。
参考書や教科書によくある事後の修正や補正、法律改正による改訂版の発行等、電子データであればかなり簡単そうです。

紙の書籍として印刷したり店頭で販売するコストがまったく不要になるので、書籍そのものの値段も下げられるかもしれません。
まだ無名の若手の作家さんが、自主的に自由に気軽に出版(電子的に)できるようになりかもしれません。

考えてみれば、音楽の世界ではアナログのレコードが世の中から消え、電子データ媒体であるCDへ移行し、今やそのCDも勢いを失い、パソコンや携帯電話で“データをダウンロードして聴く”のが普通になっています。
紙の本や雑誌が、電子的なデータとして普及するのは時間の問題でしょうね。

それにしても、最近の電子技術の進歩と文化の変革のスピードの早さには本当に驚かされます。