今週、大阪地検特捜部の現役の主任検事が逮捕されるというショッキングな出来事がありました。
しかも逮捕容疑は、担当した事件の証拠として押収したフロッピーディスクのデータを、検察側に有利になるように改ざんしたといった、驚くべき内容です。

当初は、“誤ってフロッピーの作成日付を書換えた”と、単なるミスとして言い訳していたようですが、今日のNHKの報道等によると、“故意に書換えた”という供述を始めているようです。
なんでも、私物のパソコンをわざわざ職場に持ち込み、問題のフロッピーを専用ソフトでいじっていたとか。

さらに、同僚検事に、“フロッピーに時限爆弾をしかけた”とまで話していたそうです。
証拠物件を改ざんして、“時限爆弾をしかけた”なんて会話が検事同士の間で本当になされていたとしたら、国民としては想像を絶する世界です。
(朝日ニュースの記者名入りの記事に書いてありますので、そこそこ(!)信憑性はありそうです。)

世間で話題になる大きな特捜部関連事件では、検察有利なリーク情報が事細かくテレビや新聞で報道されます。
そして、被疑者は極悪人、特捜部は正義の味方、“特捜部が、天に代わって成敗いたす!”的な美しいストーリーが定着していきます。

でも、今回のような事件が明るみに出ると、正義の味方どころか、強大な権力を握った暗黒集団のような気さえしてきます。
逮捕された前田容疑者は東京地検特捜部に在籍していたこともあります。

個人の資質に問題があるのは間違いないですが、このような人物が検察組織の中の花形である特捜部で重用されてきたという事実は、非常に深い意味があるのではないでしょうか。
東京地検特捜部が正義の味方というのは、残念ながら国民の幻想だったのかもしれません。