東日本大震災ですっかり忘れられておりますが、本来4月といえば新しい法律が施行されるタイミングです。
我々税理士に関わりの深い税法も、その多くが4月1日から改正されるシキタリです。

ところが今年は震災の影響もあって、年度内の3月末までに改正法案が国会を通っていません。
そこで取り敢えず“つなぎ法案”と呼ばれるもので、6月までの3ヶ月間だけは今まで通りやりましょう!ということになっております。

今回の税制改正は、ここ数年無かったくらいの大規模な変更が予定されていましたので、混乱に拍車がかかっております。
特に私の周囲で最近多いのが、相続税に関する混乱です。

以前このブログにも書きましたが、今年の4月1日から相続税の基礎控除が4割も減らされる予定でした。
例えば、亡くなった方の相続人が、配偶者と2人の子供であれば、今までは8000万円まで非課税だったものが、4800万円を超えると相続税がかかるようになります。

ところが法案が宙ぶらりんのまま、つなぎ法案で3ヶ月現状維持です。
さて、4月に亡くなった人の基礎控除は、最終的にどっちになるんでしょう?

3ヶ月たったら、当初の法案どおり可決成立するんでしょうか?
もし成立したら、4月に遡って基礎控除は引き下げられるんでしょうか?

今回は納税者にとって不利となる改正ですので、過去に遡って適用されにくいとは思うのですが、正直なんとも言えません。
非常時で政府も国会も大変なのは分かりますが、早く方向感が出て来る事を願います。