以前にこのブログで紹介しました、競馬の外れ馬券が必要経費になるかどうかの注目の裁判の判決が、今日、大阪地裁ででました。

以下、そのブログ記事
http://blogs.yahoo.co.jp/t_an_ei/45133554.html

なんとその判決!
今回のケースは、馬券による所得を雑所得と認定し、外れ馬券購入分を必要経費と認めました!!!

おお~、驚きの判決です。
まあ、競馬で数年かけて1億4千万円儲かった人に、追徴税額として6億円(加算税等合わせると10億とか)も払えというのは、現実的には無理な話です。

被告は元々普通のサラリーマンだったそうなので、10億なんて一生かかっても払えるわけないですし、かといって自己破産しても税金の納税義務は消えないので、今後の人生どうするのってレベルでした。
“競馬による所得はすべて一時所得”
“外れた馬券購入分は、当たり馬券収入から差引けません”
というのは税務の世界においては常識なんですが、なんでもかんでもその常識に当てはめて、担税力を無視した課税処分を行う事への警告となったかもしれません。

税理士としても、改めて法律の解釈の大切さを痛感する判決です。
ただし、競馬好きの皆さま(私も含め)へ重要な注意ですが、今回のこの人のケースは、“特別”です!

普通に一般人が競馬で払い戻しを受ける場合には、一時所得として課税すべき、と西田裁判長も判決で言っております。
この会社員は、競馬ソフトを使って、
“無差別に一定の条件で網羅的に購入し、多額の利益を得ていた。”
“娯楽ではなく、資産運用の一種ととらえていた。”
ので、特別に雑所得として認められただけです。

残念ながら一時所得の場合、年間50万円以上儲かったら(金額は人によりケースバイケースです)申告して納税する必要があります。
またこの会社員も、儲かったのに申告しなかった事自体は当然有罪ですし、罪はきちんと償うべきです。

そこまで馬券で儲かるのはなかなか難しいですが、くれぐれもご注意を。
あと、これはあくまで大阪地裁の判決ですので、最終的にどうなるかはまだ分かりません。

検察側がどう判断するか、さて、最終結論はどうなるんでしょうね。