先日国税庁より、平成19年度の査察調査(いわゆるマルサ)の結果が公表されました。
古い映画ですが、”マルサの女”のおかげか、税務署の調査はみんなこのマルサだと誤解されがちです。

でも一般的な税務調査というものは、税務署の申し出に応じて協力する”任意調査”です。
モチロン、任意と言ってもきっちり調べられますので、安易に考える事は出来ませんが、恐い査察チームが、ある日突然会社に押し寄せるというイメージではありません。

このマルサと呼ばれるものは、主に大口、悪質な脱税者の刑事責任を追及することなどを目的として行われる強制調査の事です。
ですから余程悪どい脱税をしない限り、マルサにお世話になる事はないでしょう。

今回の発表によると、脱税の中で目立って増加しているのは、消費税や外国為替証拠金取引(FX取引)に係るもののようです。
検察庁に告発された消費税事案は前年度より7件多い30件と、過去最高の告発件数となりました。

ここ5年間の推移をみると、3件、6件、10件、23件、30件と年々増加しています。
中小企業の皆様は、決算の際の消費税の納税負担の重さは十分身にしみてらっしゃると思います。

会社が赤字であれば、法人税や住民税は均等割りのみの少額の税金で済むのに、消費税だけはしっかりかかってきます。
”消費税は国に代わって預かっただけの税金”であるという建前ですから、赤字で資金繰りがきつくても絶対に納めないければなりません。

消費税のそういった特殊な性格から、このような脱税事案が増えているのかもしれませんね。
国税庁の発表した消費税の脱税の手口の一例ですが。

”架空の輸出免税売上とそれに見合う架空の課税仕入を計上”
”人材派遣業を中心に、本来課税仕入に該当しない人件費を課税仕入となる外注費に科目を仮装すること”
とか。

一般の方にはチンプンカンプンかもしれませんが、御商売をされてらっしゃる方にとってみれば、”あ~~~・・・”と言う話でしょう。
今後の消費税の増税を考えると、ますます中小企業にとっては厳しい時代ですが、このようなゴマカシで恐~いマルサに調査される事の無い様、適正な申告に努めなければなりませんね。