今週、コロナの持続化給付金の不正受給で2件の逮捕劇が報道されました。
まず1件目が、家族4人で1800件もの不正受給を行い、総額10億円という過去最大規模の不正受給額の事件。

主犯格の父親は海外逃亡しているそうです。

2件目は、現役の国税局職員が確定申告書の偽造を担当(?)し、グループ7人で200件総額2億円の不正受給を行って逮捕された事件。
主犯格の男は、これまた海外逃亡中だそうです。

まあ滅茶苦茶ですね・・・。
迅速性を優先して簡易な方法で給付したとはいえ、ひどすぎます。

この持続化給付金、最終的にどれくらい配ったか経済産業省のサイトで確認しました。
件数・・・424万件
給付額・・・5.5兆円

このブログで何度も書いてますが、全体で配った先が424万件って数字が余りにもおかしすぎる。
持続化給付金の場合、多くのケースで満額受給(法人200万円、個人100万円)でしょうから、ざっと概算すると、“少なくとも”、法人は125万社、個人は300万人、に配った事になります。

日本の法人数は300万社弱ですので、そのうちの125万社ほどが受給しているのは、“百歩譲って”まあコロナで会社も大変ですよねえと言えるレベルですが・・・。
個人の300万人はもう滅茶苦茶です。

国税庁が毎年発表している確定申告書の提出状況(P14の表3-1ご参照)によると、事業所得があって税金を納めている個人事業者の数は、コロナ直前の平成30年で168万人しかいません。
(赤字の人や還付申告の人を合わすと370万人になるのですが、これらの方は申し訳ないけど“コロナの影響で苦しくなった”とは言い難いですよね)
これは平成30年だけの数字ではなく、多少増えてきているものの、まともに毎年税金を納めている個人事業者数って、この国では毎年200万人いないんです。
(納税額があるかもしれない還付申告を合わせても250万人位です)

それなのに、コロナ給付金を受けた個人の人数が300万人って・・・、分母超えてるレベルやん。
今回の詐欺の報道でも明らかなように、本来の個人事業主ではなく、学生や主婦の名前だけを使って申告書等を偽造して給付金を受けまくらないと作れない数字です。

これまた何度も書いてますけど、本当にこの逮捕劇は氷山の一角で、給付総額5.5兆円のうち、少なくとも何千億円単位(下手すりゃ兆円単位)の不正受給があったように思います。
警察に頑張って取り締まって欲しいけど、件数から言っても金額から言っても、もう取り返せるレベルの数字じゃないです。
みんな海外逃亡しちゃってるし・・・。

経済産業省の官僚も“424万件”という数字がおかしい事は分かっているはずで、うやむやにしたくてしょうがないんじゃないかなあ。
消費税1%で2.5兆円程の税収と言われていますが、5.5兆円だったら消費税10%を8%に戻せたやん!って位のべらぼうな数字です。