政府と自民党の税制改正案が出ました。
政府と与党で別々に税制改正の案を作ってるあたり、税金ってのは政治の道具なんだなあと再認識させられます。

今回の改正案で最大のトピックは固定資産の減価償却制度の見直しでしょう。
従来は取得価格の95%までしか減価償却費を計上出来なかったものを、諸外国にならって100%まで出来るようにするというものです。

これで4000億円程度の減税になるそうです。
しかし!!!本当に減税なんでしょうか???

例えば車を100万円で購入した場合、95万円までは減価償却費で6年程度かけて毎年の費用にします。
減価償却費で費用計上出来るのは、従来はそこまででした。

しかしながら、その車を廃車にした段階で、残りの5万円についても”固定資産除却損”等で費用計上は出来たのです。
つまり、費用に計上する方法とタイミングが変わっただけなんです。

これは固定資産の売却等をした場合も同じことで、償却限度が95%だろうが100%だろうが、長い目でみれば最終的な損得は基本的に同じです。
メリットといえば、従来よりも早い段階で費用に計上出来るようになったということでしょうか。

また、本社建物や工場のような大規模固定資産は、本社移転や廃業でもしない限り、残りの5%は費用計上出来ませんでしたから、大企業にとっては意義があるでしょう。
しかし賃貸建物等で営業しているような中小零細企業には、大して意味がないかもしれません。

個人の定率減税廃止によって、個人には1兆円以上の増税を行う訳ですから、大企業しか喜べない改正はバランスを欠いているように思います。
ま、個人事業主になってしまった私の個人的なぼやきですが・・・。