今週、空き家対策のための特別な法律が成立しました。
その背景には、全国の空き家が820万戸にものぼっており、年々増え続けているという現状があります。

空き家が増えると困る大きな問題の一つは、人が住まない家屋は老朽化が一気に進むため、家屋の倒壊や衛生上の問題が発生しやすいという点です。
そんな危ない家屋はさっさと取壊して取り敢えず更地にしてしまったらエエやん!、と思うかもしれません。

でも、古い建物を壊せない税制上の大きな理由があります。
それは、家屋が建っている居住用の土地に対する固定資産税等の優遇措置です。

持ち家の方はご存知でしょうが、居住用の土地は、固定資産税が通常の6分の1(200㎡超える部分は3分の1)にまで軽減されています。
都市計画税も3分の1(200㎡超える部分は3分の2)です。

これは、人が住んでいようがいまいが関係なく、どれだけ家屋がボロボロであろうとも“居住用の家屋が建っているかどうか”という用途だけで決まります。
つまり、ボロボロだからといっての家屋を取壊して更地にしてしまうと、次の年から固定資産税等がいきなり6倍になってしまう可能性がある訳です。

そりゃボロボロになってもなかなか取壊せないですよね・・・。
しかし、今回の法律により、一定の危険な空き家(特定空き家)と判断された場合、この固定資産税等の優遇措置から外される事になりました。

実際にどの程度に空き家が“特定空き家”と判断されるかはまだはっきりしません。
ただ、両親が亡くなって故郷の実家を相続したような方々にとって、取り敢えず空き家で放置、という判断がしにくくなってくるかもしれませんね。