本日、与党の税制改正大綱が決定し公表されました。
我が国の税制は毎年4月に改正されますが、2022年4月改正の叩き台が決まったことになります。
(概ねこの大綱の通りに法律が出来ます)

今回の目玉は“賃上げ税制の拡充”です。
会社や事業主が従業員さんへ支払う給料を増やした場合、その増やした賃金に応じて最大で30%(中小企業は40%)の法人税や所得税を減額するという内容です。

賃上げ税制自体は以前からありますが、減税の割合を思い切って増やし“国民全体の賃金アップを図ろう!”、という岸田総理の思いが有るようです。
国民の賃金をあげたい!という思いは大変結構なんですが、さてこの“減税率アップ”という手段がどこまで効果があるのでしょうか・・・。

現在、日本の会社の7割前後は毎年赤字です。
つまり最初っから法人税を払っていない会社が7割です。

会社の税金が安く成りまっせ!!!といわれても、7割の会社は全く関係の無い話です。
中小企業に限って言えば赤字法人の割合はもっと多くなりますが、日本のサラリーマンの2/3位がそういった中小企業で働いています。

全く効果が無いとは言いませんが、国民の賃金を上げるための手段として“会社の税金を安くしてあげる”という施策はどうかと思うんですよねえ。
ちなみに、赤字でも原則消費税は払う必要がありますので、“消費税が安くなりまっせ!”と言われたら、ほとんどの会社の目の色が変わるでしょうが・・・。

なんとか国民の賃金をあげたい!と本気で思うなら、法定の最低賃金を引き上げ、守らなかった場合の罰則を強化する、くらいしないとなかなか難しいかと思います。
まあ、こういった話は周知の事実で、当然、岸田総理が理解していない訳は無く、“効果が薄い事は百も承知の上でのパフォーマンス”なのかもしれません。

“国民の賃金を上げるために、私は頑張ってまっせ~!”
という。

10万円の給付もなんだかグダグダになってきましたし、“う~ん、岸田さんってどうなんやろ”、という気がしてきたのは私だけでしょうか・・・。