昨日、本田技研工業からインサイトという車が発表されました。
この車は、ガソリンエンジンとモーターを組み合わせた低燃費の”ハイブリッドカー”です。

今、世の中でハイブリッドカー、低燃費、と言えば、トヨタのプリウスが有名です。
アメリカの著名な俳優を始め、世界的にも”プリウスに乗っている”と言う事が”エコな人”とイメージされるくらい定着してきていますね。

そしてこのインサイトは、プリウスを追撃すべく、我らがホンダ(大好きです!)が満を持して発表した車。
さて、その評価はいかがなもんでしょうか。

まず気になる価格。
ホンダの福井社長も言っておられましたが、ホンダは今回ここに相当こだわったそうで、ずばり189万円から。

うむむ~、フィットがベースだけに微妙ですが、ハイブリッド車としてはかなり頑張った値段でしょう。
先進技術の集大成で、開発費にもお金かかってますから、まずまずの値付けかな。

少なくとも現行プリウスよりは、現時点で40万円以上安いです。
ただ、もうすぐトヨタも新型プリウスを発表しますので、安い値段を出してきそう・・・。

で、最大の売りである燃費。
現状の日本の基準である10・15モード燃費で、リッター30キロ。

世間の人はあまり知らないかもしれませんが、ホンダのインサイトという車は2代目です。
初代のインサイトは、10年前の1999年にクーペスタイルで登場し、当時の量産車世界最高のリッター35キロの燃費を誇りました。

10年たったのに、燃費が悪化しとるがな・・・。
ホンダちゃん、もうちょっと頑張って~な・・・。

と、言わないでください!!!
値段を安くしつつ、さらに実用的な車にしようとすると、ある程度燃費性能は犠牲にしないといけなかったと言う事でしょう。

恐らく初代インサイトのように、燃費の数字だけを求めればリッター40キロも可能だったかもしれません。
でも、値段は高いし車としての使い勝手が悪いでは、売れません。

一般人が、”ちょっと割高だけど買ってみようかな”というレベルの値段と実用性にするための、ホンダのギリギリのバランス感覚がこの車でしょう。
果たして、世界の消費者のバランス感覚とマッチするのかどうか・・・。

ちなみに現行プリウスの燃費はリッター35,5キロ。
完敗。
しかもプリウスは、燃費には不利なはずの3ナンバーの大きめのボディーに大きなエンジンなのに。
うむむ。

最後に気になる見た目ですが。
顔は最近のホンダのトレンド通りで、ちょっと”きつめ”の精悍な感じでまずまず。

しかし、残念な事にリアあたりの処理がプリウスと瓜二つ。
トヨタファンからは”パクリやん”と言われそう。

まあ、空気抵抗を減らしつつ4ドア以上を目指すと、みんな同じような形になるんでしょうけど。
ホンダファンとしては、無理矢理でもオリジナリティーのあるスタイルを作って欲しかったですねえ。

総合的に見て、ライバルプリウスに比べると、
燃費で負けて、居住性で負けて、ブランドイメージで負けて、スタイルが似てる・・・。

アカンがな・・・。
唯一の勝ち目は、価格。

まあ、価格ってかなり大きなファクターなんで、なんとかそこで勝負するしかないですね。
ホンダファンの私から見ても、ちょっと微妙なインサイト。

でも、F1撤退、S2000の製造中止、と不景気な話題の多かったホンダにとっては明るい話題で、ちょっと嬉しいニュースでした。