藤井財務大臣が健康状態を理由に辞任されました。
辞任の本当の真意に関しては部外者には分かりませんが、もう80歳近い年齢を考えると、純粋に“お疲れ様でした”といった感じです。

そもそも、藤井さん自体は、民主党が政権を取る直前には、大臣どころか国会議員も辞めて政界引退する事を公言しておりました。
そこを鳩山総理に強く請われ、引退を撤回して財務大臣にまで就任した訳です。

まったく新しい政権である民主党政権にとって、初めての予算編成や税制改正は、非常に負担のかかる激務であったと思います。
政治家の仕事といえば“利害調整”でしょうが、特に“お金”がらみの利害調整の根幹である予算編成や税制改正は、想像出来ないほどのストレスがかかるんでしょう。

元大蔵官僚で大蔵大臣の経験もある藤井さんは、シロウト集団っぽい鳩山内閣の中では一定の安定感があったように感じていました。
予算審議を前にしての辞任はちょっと無責任にも思いますが、小沢さんとの確執も含め、正直、疲れちゃったんでしょうねえ。

後任を務める事に“なってしまった”菅さん。
なんでも、鳩山首相から3回も説得されて渋々引き受けたとか。

菅さん自体は優秀な方だと思いますが、元々理系の方(東京工業大学出身)で財政や金融経済への対応力はまったく未知数です。
さてどうなりますことやら。

一つ象徴的なのは、藤井さんが財務大臣就任時に、ちょっと不用意な発言で為替が大きく円高に振れたのに対し、菅さんが就任時した際には、“95円くらいが丁度いい”という無邪気な(?)発言で円安に振れたという事実。
勿論今回の円安の要因はそれだけではないでしょうが、意外と“経済財政通”と言われる人より、理系の人のほうが上手に財務大臣をこなせたりして・・・。