大手メガバンク3行とりそな銀行は、“一定”の振込手数料について値下げする方向で検討に入ったそうです。
公正取引委員会から、“50年前と変わらない手数料取ってるのはおかしいがな!”と今年の4月に怒られましたので、ようやく重い腰を上げたというところでしょうか。
ただ今回の報道を見ると、“個人間のみ”とか、“一定額以下のみ”といった制限がついているようで、なんとか少しでも既得権益を守ろうとする銀行の姿勢が見えます。
厳しい経営環境ですので“振込手数料”という聖域を守りたいのは分かりますが、“送金サービス”自体が、既に“聖域”でも“既得権”でもなくなりつつある現実に気づかないといけないですね。
確かに50年前の技術やインフラ水準ですと、全国すべての銀行をオンラインで繋いで(全銀協ネットワーク)即時に資金移動するシステムの構築には相当なコストがかかったでしょうし、そのネットワークに接続しない限り送金サービスの実現はあり得なかったでしょう。
しかし昨今のIT技術の進化により、既にPaypayを始めとするスマホ決済サービス等においては、個人間の送金サービスを無料(安価)で実現してしまっています。
ちょっと気の利いたIT企業が自前のシステムを構築すれば、ネットワーク上の資金移動サービスなんて簡単に実現できてしまう時代なんですよね。
今更、“個人間”とか、“一定額以下”とかセコイ事言っていたら、あっという間に土俵を奪われてしまう気がします。
法人間の振込手数料は相当な金額になりますからなんとか死守したいのでしょうが、そもそもネットワーク上の口座の数字の操作だけですから、個人も法人も関係無いですし、金額の大小なんて全く関係ないはずです。
“アップル銀行”とか“グーグルバンク”とか出来たら、IDさえ持っていれば世界中で全ての振込手数料タダ!とか軽々実現しそうです。
仮想通貨も絡めれば、国際間の送金手数料や通貨交換手数料も無料の時代がくるかもしれません。
(そういう意味ではFacebook銀行も有るかな)
消費者にとっては楽しみな未来かもしれませんけど、銀行はもう少し危機感持っても良い気がします。