岸田首相肝いりの“異次元の少子化対策”の目玉の一つとされる施策に、現在中学生までの児童手当を高校生まで延長して月1万円給付するというものがあります。
このバーターとして(?)、16歳から18歳までの所得控除38万円を廃止しようという意見が財務省等から出ているようです。
いやいや、それでは単に給付する代わりに税金上げてるだけで、全然異次元の少子化対策にならないでしょ・・・。
民主党政権時代に“控除から給付へ”という話があって、中学生以下の所得控除を無くして子供手当に置き換えた訳で、その“中学生以下”だったのを“高校生以下”までにして年齢引き上げただけですやん。
“控除から給付へ”という考え方は、累進税率を考えると一定の理屈が通るんでしょうけど、少なくとも“少子化対策”としては機能していないから子供が減る一方なんです。
“異次元”で思い切ったことをする!!!、って言いながら、単に年齢の基準を引き上げるだけでは民主党時代とやっている事は変わりません。
個人の税金の算数で考えると、課税所得が330万円以上の人は所得税と住民税を合わせて税率30%以上になります。
38万円の控除が無くなると“最低でも”11万円ほど税金が増えます。
月1万円の給付で年間12万円貰う一方、年税額が11万円増えて、トータルで年1万円儲かった!、月に800円も楽になる!!、よし子供産もう!!!ってなるんでしょうか・・・。
これより上の所得層ですと税率はもっと上がりますので、逆に手取金額は減る訳で、少子化対策どころか単なる増税です。
児童手当の所得制限をなくす!とか言いながら、ある程度以上の所得を有する人について増税するのではアクセルとブレーキ両方踏んでいます。
今後将来、子供を産んで育てていこうと思える人達となると、現実的な話として、ある程度以上の所得層の若者に期待せざるを得ないのに、その階層の人達を増税して負担を増やすような“異次元の少子化対策”となると、もう笑うしかないです。