今週始め、三菱UFJ銀行を含む11の銀行でシステムトラブルが発生し、連休明けの2日間にわたって他行あての振込が出来ない事態になりました。
原因は、銀行間の資金決済を行う全銀システムと各銀行を繋ぐ中継コンピューターの更新に伴うトラブルだそうです。

この全銀システム自体は1973年の稼働以来50年間トラブルが無かったとのことで、それ自体は凄い事です。
ただシステムのプログラムの中身が古すぎて、今となっては誰も触れない骨とう品のような状態らしく、今回のように骨とう品に繋ぐシステムの更新だけでも、おっかなびっくりのチャレンジになってしまうようです。

50年も前のシステムということですので本体システムの刷新もいずれ必要になるでしょうし、今後順次行われるであろう各種接続システムの更新を考えると、国家として対応しなければならない位の大きな話だと感じます。
ビジネスにおいて振込が不可能で資金決済が出来なかったとなると当然一大事ですし、国民生活においても大事な支払いが出来なくなると大変ですし、本人に全く非が無いのにクレジットやローンの引落が出来ず延滞金や延滞歴がついたりする可能性もあります。

メインの銀行でトラブった場合の自己防衛として、複数の銀行等で資金決済手段を常に備えておくのもなかなか現実的ではありません。
複数の銀行で資金決済手段を確保しておく事ことは簡単でも、それぞれの銀行で常に潤沢な資金をプールしておくことはかなり難しいからです。

ビジネス界や国民生活への影響を考えると、銀行団に任せるのではなく、他の先進的なIT企業等も巻き込んで、最新のIT技術を使ってより安定した継続性のある資金決済システムを、国を挙げて構築していくしかないように思います。
減税するとか絵空事を宣伝するのではなく、こういう面で岸田首相のリーダーシップを期待したいなあ・・・。