もう何年も前から、クラウド(オンライン)会計ソフトには期待しています。
いつでもどこでも、スマホでもタブレットでもMacでも、端末やOSに依存せず会計の入力や財務データの閲覧がサクサク出来る時代に早くなって欲しいと思っています。
ただ残念ながら、現状どのサービスも一長一短で、思い切って導入するほどの圧倒的な優位性(操作性、利便性、コスト面)は見えていません。
(あくまで私個人の主観です)
そんな中、先月31日にちょっとびっくりする出来事がありました。
クラウド会計ソフトの草分けとでもいうべきfreeeという会社でシステム障害があり、月末当日の昼間にほぼ全てのサービスが2時間半ほど停止したのです。
月末に会計ソフトが突然止まったら・・・、税理士は死にます。
余裕をもって仕事が終わっていればいいのですが、場合によっては月末ギリギリまでお客様と財務会計の内容を詰めている場合もあります。
その当日、会計ソフトが利用できなくなってしまったら、申告書類は当然作成できず、申告期限遅れで加算税や延滞税という実損害が発生します。
もしインストール型のソフトであれば、利用者サイドで各種のトラブル備えて代替手段を準備することは比較的容易です。
例えば、インストール済みのパソコンを複数台用意したり、データのバックアップをリアルタイムで行ったり、ネット回線も固定回線に加えてサブの無線回線を確保する、といった形ですね。
ところが今回のように、クラウド会計の本体のシステムが突然停止してしまった場合、利用者はお手上げです。
事前に代替手段を準備しておくことも相当ハードルが高く、クラウド会計の弱点を改めて認識させてくれたように思います。
これはfreeeだけの話ではなく、クラウド会計ソフト一本足のシステムの場合は常に起こり得るリスクです。
そう考えると、オフラインでもバックアップ的に操作可能なクライアントソフトの開発をfreeeやマネーフォワード(クラウド一本足の会社)には期待したいですね。
あ、あともう一つ大きなポイント(これこそ最大の弱点?)。
クラウド会計の毎月の利用料が、インストール型のソフト利用時に比べて、長い目で見ると割高な気がします。
大きな声では言いませんが、消費税増税(インボイス導入等)さえ落ち着いてしまったら、会計ソフトなんて何年もそのまま使える可能性が高いです。
毎年会計ソフトはバージョンアップしてますが、“中身ほとんど変わってないやん!”、とベテランの経理担当者は思っているのではないでしょうか。
(ソフト会社は、バージョンアップしないとエライことなりますよ!って霊感商法みたいに脅してますけど・・・)
マイクロソフトのofficeソフト(ワードやエクセル)が良い例で、古いofficeでも普通に7~8年使える(延長サポート期間は10年程度)訳で、ケースバイケースですが、毎月利用料を払う形態のoffice365は割高になりがちです。
freeeやマネーフォワードには、中小企業向けにもっとリーズナブルなプランを提案して欲しいなあ、と思わずにはいられません・・・。