チュートリアル徳井さんが個人会社の納税申告を怠っていた件、所属する吉本興業の発表によると経緯は以下のようです。
・2016年~2018年までの3年間は全くの無申告。
・2015年は申告はしたものの、その申告分の税金を納めず。
・その結果税務調査を受け、過去申告分の2012年~2015年の4年間で旅行費や衣服代の一部経費の否認。
・最終的に重加算税を含め約3700万円の追徴税額を納めた。
(他の報道によると2016年~2018年の3年間の会社の所得の申告漏れ額は約1億2千万円程とか。)
3年間も会社の申告をしていなかった事にまず驚きましたが、2015年分は申告後も納税せずに滞納し続けていたようで、普通の神経の人では無いですね。
ただ、この報道を受けて“税金ごまかそうとしていて悪質や!”という意見がありますが、これは少し違うと思います。
個人と違って、会社の場合は儲かっていようといまいと毎期必ず税務署へ申告を行う法的義務があります。
税務署は会社を設立した段階(法務局で登記)ですぐにその存在を把握できますので、会社が何年も申告をしていないと連絡や督促をします。
会社で税金をごまかす場合は、儲かっているのに儲かっていない“ウソの申告”を期限内にきっちり提出するもので、“申告をしない”というのは税務署の注目を惹くだけで全く逆効果なんですね。
2015年分は申告したものの滞納していたという事ですので、恐らく税務署から本人や顧問税理士へ事前に何度か接触があったと思われ、“ごまかす”とか“逃げきる”とかいうレベルの話ではないでしょう。
下手な例えですが、夏休みの宿題を全然やらないで9月になり、先生に怒られたにもかかわらずなお提出せず、冬休みの宿題も春休みの宿題もまた提出せず、とうとう親呼び出されてボロボロに怒られたという感じでしょうか。
本当に悪い奴なら、他人にやってもらった宿題をさも自分がやったかのように9月1日にきっちり提出しますよね。
かつて板東英二氏や青汁王子が脱税で告発されたのは後者の罪で、今回の徳井さんは前者の罪でしょう。
個人の場合“儲かっているのに申告しない”で逃げ切れるケースは有り得るので無申告は大罪ですが、会社の場合、儲かっているのに無申告なのは税務署の調査官を喜ばすだけです。
特に今回は、儲かっているはずの徳井氏の個人会社である事を税務署は把握していた訳で、ゆっくり3年間泳がした後にたっぷり自分の成績にしたような気配も・・・。
旅行費や衣服代の経費計上は通常“見解の相違”レベルの話であって、“仮装や隠蔽行為に対する懲罰”である重加算税レベルの話では無いのでは?、と税理士的には疑問に思うところも・・・。
ま、税務調査の現場でいろいろやりとりがあったんでしょうね。
徳井氏擁護のような記事になりましたが、彼のした行為が罪深いものであることは間違いありませんし、会社であっても無申告は当然ダメですので、そこは誤解のなきようお願いします。