岸田内閣が発足しましたが、18歳未満への10万円給付にプラスして、住民税非課税世帯へも一律10万円給付する事が決まったようです。

2020年4月頃、当時政調会長だった岸田さんがコロナ対策として“住民税非課税世帯へ30万円配ることで安倍首相と合意した!”と、まるで給付が自分の手柄であるかのように得意気に語っていたのを思い出します。
国民から“なんで非課税世帯だけ給付やねん!!!”と大反感を買って総理の目を自ら潰したのに、また同じような事をするんだなあ、とちょっと驚きました。

モチロン、生活困窮者を助けるのは政治の使命ですし、人としても非常に大切なことです。
でも、住民税非課税世帯は“コロナのおかげで困っている”のではなく、“コロナに関係なくずっと困っていて、逆に言えばコロナの影響が非常に少ない人”が多い気がします。

住民税は前の年の所得で計算しますので、2021年の現時点で住民税が非課税になっておられる人は、2020年の給与収入が年100万円に満たない方々です。
コロナが日本で本格的に流行しだしたのは2020年4月より後ですから、例えば月給30万円で2020年4月頃まで真面目に働いていて2020年5月以降に会社が倒産した人は、現時点で住民税非課税世帯ではない可能性が高いです。

また家族を養っているようなケースであれば、失業後も、バイトでも何でもして働かないと生きていけませんので、結果として年収が非課税基準を超えてしまう事も多いでしょう。
恐らく現時点で住民税非課税の世帯は、年金生活の高齢者の方が非常に多くの割合を占めるのではないでしょうか。
(年金収入ですと年140万円でも住民税非課税です)

コロナの影響で日本の生活必需品の価格が急上昇して、所得の少ない人々が今まで以上に生活が苦しくなったのなら話は分かりますが、そんな事実は無いです。
本当に困っているのは、コロナで会社が倒産した人や、業績が悪化した飲食店や観光業に従事する方々で賃金が減ったりボーナスが無くなってしまっ人のはずです。

非常に耳障りが良い“生活困窮者への支援”というお題目ですが、中身が少なくとも“コロナ対策”にはなっていない気がします。
一律給付と言うと“金持ちにまでなんで配るねん!”と批判されますが、“住民税非課税世帯への一律給付”も、耳障りが良いだけで単なるバラマキであることに違いはない気がします。

生活困窮者への支援を否定するのではなく、あくまでも“コロナ対策”としては不適切じゃないのという話ですが、なんだか岸田さんにはちょっとがっかりな気分の私です。