我々の業界は、12月と言えば年末調整一色の繁忙期になります。
このバタバタの年末調整が来年から電子化されるということで、税理士のみならず、会社や個人事業主の負担が少しでも減る事を期待したいですね。

いやそれだけではなく、控除証明等のハガキを日本中で何億通も作成して郵送するコストや、そのハガキを失くして探す国民の労力が少しでも減れば、社会全体でも大きな負担軽減です。
ただ電子化作業の具体的な流れを見ると、ネット作業に向き合うのは基本的に“サラリーマン本人”なのが気になります。

サラリーマン本人が生命保険会社等から自分のデータをとってきて、
サラリーマン本人が国税庁のサイトにアクセスして控除申告書等作成して、
サラリーマン本人がその作成したデータを会社等へ電送する、

って、なかなかハードル高い気がするなあ・・・。

皆さん経験があると思いますが、年に一回しか見ない年末調整関係の書類の書き方って、結構覚えてないですよね。
しかも毎年のように税法は細かく改正され、様式が微妙に変わったり用紙が増えたりして、結局“名前書いてハンコ押して後は経理の人にヨロシク!”ってパターンも多いのではないでしょうか。

そんな“去年どうやったか忘れちゃった?!”が当たり前の“年一”の事務について、ネット作業とはいえ、年末忙しいサラリーマンの方々がこのハードル越えて積極的にやってくれるんでしょうか・・・。

例えば、
去年とったIDもパスワードも行方不明だし、
サイトの入力方法やデータ伝送方法も忘れちゃったし、
今まで通り紙で出しちゃえ~、
って、なりそう。

せっかく電子化と言うなら、サラリーマン本人や会社の手を煩わせることなく、生命保険会社や社会保険関係の部署が、マイナンバーをキーにオートマチックに国税庁と情報をやり取りして、自動的に年末調整が出来るようにすれば良いのに。
セキュリティーとか個人情報の取扱いが難しいかもしれませんが、それを実現してこそのマイナンバー制度だと思うんですがねえ。