自民党総裁選がたけなわですが、その中で金融証券税制に関する話題がありました。
将来的に、株式の配当や譲渡益について、“マイナンバーで名寄せする事によって”一定額以上の利益がある人については、現在の原則20%の税率を30%に引き上げる!、というものです。

ここで注目なのは、“マイナンバーで名寄せする事によって”、という点。
一昨年までは、証券会社から口座を持っている本人にマイナンバーの登録を要請(?)していたのですが、昨年からは本人からの申告が無くとも強制的にマイナンバーと紐づけされる形になっているんですね。

株をやっている人は既にご承知かもしれませんが、証券会社が“証券保管振替機構(ほふり)”を通じてマイナンバーを自動的に取得できるように法律が変わっています。
日本証券業協会のパンフレットご参照。
(真ん中辺りの“マイナンバーの提供を受けることができる”という部分)。
という事で、“こっそり株で儲けたいからマイナンバーは黙っておこう・・・”、という方、諦めましょう。

ちなみに・・・、
株式の配当や譲渡益に対する税率が約20%に固定されている点については、“金持ち優遇”という事で従来から批判がありました。

コツコツ働くサラリーマンの方の場合、“課税所得”が330万円を超えると税率(所得税+住民税)は30%になり、695万円を超えると33%、900万円を超えると43%、1800万円超えると50%、という結構お高い累進税率です。
ついでに言うと、給料からは“額面”の約15%の社会保険料がガッツリ天引きされます。
(上限はありますが。)

一方、株の売買で1億円儲けた場合や、株の配当収入だけで食べていけるような資産家の方の場合、原則20%だけ税金払えばいいんですね。
たまたま一般庶民の方が株で10万円くらい儲かったのなら20%の税金でも良いでしょうが、株の配当金だけで毎年数千万円貰っている人レベルの人でも20%の税金で済むのはちょっとバランス悪い気がします。

まあ金融証券税制については賛否両論あると思いますが、こういう話が表に出てきただけでも、今回の自民党総裁選は意味があるなあと思います。