関西のお笑い界をひっぱってきた吉本興業が、124億円あった資本金を1億円にまで減資するそうです。
各種メディアの報じ方をみますと、税制上の優遇措置が受けられる“中小企業”になりたい!というのが目的と言われております。
こういった報道のされ方を見ると特に感じますが、どんな大企業でも1億円以下に減資するだけで“中小企業”になってしまうという、税法に問題があるのでしょうね。
ここ数年、こういった資本金の変動に関連して法律改正もされていますが、まだまだ追いついていないのが実情です。
ただ現実問題として、税金を安くしたいだけで減資する経営者は非常に少ないように思います。
モチロン誰しも税金が安いにこした事は無いでしょうが、このクラスの企業にとってはむしろ、バランスシートを綺麗にしたいとか、株主への配当を維持したいといった、別の要因があるのではないでしょうか。
何が何でも税金が安いのが一番!という経営者ばかりであれば、そもそも日本に上場企業なんて存在していないでしょうし。
大抵の経営者は、税金が増えるのを承知の上で敢えて増資して規模を大きくしたり、上場したりするものでしょうから。
そう考えると、今回の吉本興業の減資についても、内情はもっと深刻な話のように思えてなりません。
5年ほど前に上場廃止を断行した際、かなり無理な借金を背負ってしまったとも聞きます。
さすがナニワの“ケチモト興業”、税金までケチっとるがな!、という笑い話だけなら良いのですが、関西人としては、“ヨシモト”というお笑いの代名詞が今後も輝き続けて欲しいと切に願う次第です。