例年同様、一年で一番暑いこの時期に第68回の税理士試験がありました。
受験生の皆様、本当にお疲れ様でした。

ここ十数年の話ですが、税理士試験の受験者数は年々減っています。
私が合格した14年前の受験者数は5万6千人余りで、昨年は3万3千人足らず(約4割減)にまで減っています。

これは税理士試験に限った話ではなく、多くの国家資格の受験者数が減る傾向にあります。
その原因として、ネットやAIの進化で“知識で勝負する資格は将来厳しい”と若者が敬遠している、などと言われております。

しかしながら、受験者数減少の“主な原因”は、受験する年齢ゾーンの若者人口(20代~30代)の減少だと思っています。
例えば、1970年生まれの私の学年の同級生は193万人、第2次ベビーブームど真ん中の1973年生まれの妻の同級生は209万人もいます。

私の14歳年下(現在34歳)の1984年生まれは149万人(23%減)、妻の14歳年下の1987年生まれ(現在31歳)は135万人(35%減)です。
さらにその5歳下(現在29歳)の1989年生まれは125万人(35%減)、1992年生まれ(現在26歳)は121万人(42%減)しかいません。

第2次ベビーブーム辺りで比べると少し極端になりますが、日本の年齢別人口を考えると、受験者数がこの14年で3~4割くらい減っても違和感のない数字です。
モチロン、人口減少割合以上に減っている部分もあると思いますので、それだけが原因ではないでしょうが、“主な原因”は若者人口の減少と言ってさしつかえないレベルの話かと思います。

第2次ベビーブーム周辺の年齢層が極端に多いので、今後の減少ペースは少し緩やかになりそうですが、昨年の出生数が94万人と聞くと、今後もジリジリ右肩下がりは避けられないでしょう。
また、受験者数減少という平和な話(?)ならいいのですが、若者がターゲットである自動車教習所やスキー場などの商売では、15年前に比べて売上が4割減った!、というような厳しい経営環境に直面しているかもしれません。

少子高齢化問題と言われ続けて久しいですが、ここ十数年で、数字ではっきり分かる影響がいろんな分野で出てきているように思います。