国税庁の発表によると、今年6月までの1年間の所得税調査において、過払い金返還請求ビジネスを行う弁護士や認定司法書士について804件を重点的に実地調査したところ、その86.7%にあたる697件から総額79億円にのぼる申告漏れ所得金額を把握し、28億円の税額を追徴したそうです。

このうち、81件は、報酬を故意に簿外処理するなど悪質な脱税と認定し、重加算税を賦課しているとか。
一般の人には馴染みの薄い、この“過払い利息の返還ビジネス”。

そもそも“借金の利率は高すぎたらアカン!”と言う法律が我が国にはありました。
ただこの法律が2種類あって、一つは利息制限法の15~20%、もう一つの出資法は29.2%となっており、貸金業者は高いほうの金利で貸していたケースが多かったんですね。

ところが、最高裁が平成18年に、この間のいわゆる“グレーゾーン金利”を原則無効とする判決を下しました。
おかげで、消費者金融業者などに対して、今まで支払った高金利の利息分の返還を求める債務者が全国で急増し、その代理人となった弁護士や司法書士が“特需”を受けたという訳です。

実地調査に行った9割近くが申告漏れだったというのは、弁護士さんや司法書士さんと言った法律の専門家の方々としてはマズイ数字ですね。
まあ、税理士が脱税!なんかよりはよっぽどマシですが。

思わず襟を正したくなるような調査結果でございます。