あまり皆様はご存知ないかもしれませんが、実は相続税のかかる人は非常に少ないです。
相続税で先祖代々の資産をほとんどもっていかれた!なんてお金持ちの方々もいらっしゃいますが。

相続税のかかる方は、実際に亡くなられた方の5%強程度といわれています。
相続税には、基礎控除なるものがありまして。

”5千万円+1千万円×法定相続人の数”で計算した金額以下の相続財産には相続税はかかりません。
例えば、ご主人が亡くなって、奥さんと子供2人が相続人の場合、8千万円までは税金がかからない訳です。

また生命保険金についても、原則として”5百万円×法定相続人の数”は税金がかかりません。
その為、一般のサラリーマン家庭の場合、マンション、貯金、上場株式、保険金といったものを合算しても基礎控除の範囲内に収まる事が多いんですね。

そこで、資産が基礎控除の範囲内のご家庭の方々は、税金に関しては安心して良いのですが。
相続の作業自体は、財産があるかぎり常に発生します。
実際に相続が起こった際に、意外と面倒なのが金融資産、主に預金です。

不動産の場合、相続するのに司法書士に頼んで登記をしたりしないといけないのはご存知でしょうが。
銀行で亡くなった方の預金を引き出そうとしても、いろいろと書類を要求されます。

普段キャッシュカードで気楽にお金を出してる感覚とは、かなりギャップがあるんです。
亡くなられた方の、生まれてから死ぬまでの謄本全部、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明等々。

近所の銀行の支店に一つだけ口座があるような場合は楽ですが。
銀行、郵便局、農協と分散していたり、遠方にある故郷の信用金庫に定期預金がある場合など、すべての銀行等でそれらの書類を提出しなければいけなくなります。

金額が少ない場合や、銀行によって必要書類はさまざまですが。
普段と違って、簡単には引き出せないんですよね。

しかも基本的に金融機関は平日しか開いていない為、仕事を休んで処理にあたらないといけなかったり、意外と大変です。
相続対策と言うと税金の事ばかり考えがちですが。

そのような相続作業を楽にする為に、取引銀行を1~2つ程度にまとめておいたり、相続人が分けやすいように定期預金をわけておくといった事も考えておいた方がいいでしょうね。