来年度の税制改正大綱が発表されました。
税制改正“大綱(たいこう)”とは、来年4月からの税制改正について与党内で話し合って決めたものです。

自民党と公明党の中だけの合意ですので、今後国会で議論される中で多少は変動しますが、概ね大綱通りになるのが例年の流れです。
今回の大綱を見ますと、2019年に消費税増税という超ビッグイベントが有った為、取り敢えず今回は“そっとしときましょ”的な感じの小粒な改正です。

一般の方々に影響が有りそうなのは、未婚の親への寡婦(夫)控除(35万円)の適用くらいでしょうか。
今まで税法の世界ではとにかく法律婚や嫡出子にこだわっており、法的にきちんと離婚した(?)親には寡婦(夫)控除が適用されるのに、法的に婚姻を経ていない未婚の一人親は適用外でした。

離婚した一人親も未婚の一人親も、客観的には似たような厳しい子育て環境ですので、税制面での格差を無くそうという改正ですね。
法律婚重視だった自民党の長老の方々も、時代の流れには逆らえなくなってきたという事でしょうか。

これ以外の改正項目は一部の企業や特定のケースにしか影響は無さそうですが、実は2年前に決まっていた大きな改正で2020年から実施されるものが有ります。
それは所得税の基礎控除の38万円から48万円への引上げと、給与所得控除のほぼ一律10万円引下げです。

サラリーマンの方の多くはプラスマイナスゼロですが、年収850万円以上の方は増税になる可能性が有ったり(所得2500万円以上は基礎控除ゼロの大増税!)、個人事業者の方や内職している方は減税になったりします。
10万円の改正なので“税額”自体に物凄い影響がある訳ではありませんが、影響のある人の数はそこそこ多いでしょう。

特にメルカリやヤフオクでお小遣いを稼いでいる専業主婦や学生の方は、1年の儲けが48万円までは税金がかからない!というのは、38万円より少し気楽かもしれませんね。