今週、司法試験の年間合格者数について、“当面は1500人程度を下回らないようにすべきだ”とする検討結果が、政府から公表されました。
“毎年1500人以上は合格させろ!”って政府が言うのも若干違和感ありますが、その背景として、2000年代に入る頃からの司法制度改革の歴史があります。

最難関の国家資格といわれる司法試験は、毎年500人ほどしか合格しないレベルの難しい試験でした。
それが2000年頃から、法曹人口をもっと増やしていこう!という司法制度改革を旗印に、年間3000人合格を目標に掲げました。

でもさすがに司法試験なんで、成績なんて適当でもいいから上位3000人を合格にしろ!、とはならなかったようで、毎年2000人前後の合格者数にとどまりました。
結局3000人合格は夢のまま(?)目標は取り下げられ、再度今回のような提言になった訳です。

それでも、毎年500人くらい合格だったのが、一気に2000人になったら大変ですよね。
どのくらい大変かは、日本中の弁護士さんの人数の推移を見ると良く分かります。

2000年・・・17,126人
2014年・・・35,045人 (2.05倍)

たった15年足らずで、日本全体の弁護士さんの人数が倍以上になってます。
こうなると、苦労して弁護士になったのに食べていけない、なんて話が現実に聞こえてくるようになるのも当然かもしれません。

司法制度改革という理念がどういうものかよく分かりませんが、いきなりこんな増やしたらアカンやんって、誰か言わなかったんでしょうかねえ・・・。
でも、いきなりそんな増やしたらアカンやん、な国家資格がもう一つ。

公認会計士の登録者数
2000年・・・16,656人
2014年・・・33,977人 (2.04倍)
こっちも倍以上になってます・・・。

会計士の世界も、いろいろ世の中の制度改革等に翻弄されたんでしょうが、15年で倍以上も増やすのは無茶なんじゃないのかなあ。

ちなみに、税理士
2000年・・・64,456人
2014年・・・74,501人 (1.16倍)
まあ、もともと多いんですけどね。

ついでに、司法書士
2000年・・・17,034人
2014年・・・21,366人 (1.25倍)
2000年頃までは、司法書士さんのほうが弁護士さんより多かったようですが、今では弁護士さんのほうが圧倒的に増えているのは驚きます。

ついでについでに、医師(ちょっとデータ古いです)
2000年・・・255,792人
2012年・・・303,268人 (1.19倍)

さらに、歯科医師
2000年・・・90,857人
2012年・・・102,551人 (1.13倍)

さらにさらに薬剤師
2000年・・・217,477人
2012年・・・280,052人 (1.29倍)

多少ばらつきありますが、みんな徐々に増えてるんですね。
定年が無い国家資格とはいえ、戦後70年経ってそろそろ人数減ってくるレベルに達する気もしますが、弁護士さんと会計士さんの動きは読めませんな・・・。