昨年後半頃から世界中で話題になっている人工知能CHATGPTを運営しているオープンAIという会社があります。
人工知能と言えば、今までもアップルのSiriやグーグルアシスタントといったものが馴染みで、スマホ等で人間と簡単な会話が可能なレベルになっていました。

CHATGPTはその数倍上をいく人工知能ということで、質問や課題に対して優秀な人間以上の文章で応えてくれたりするのが特徴です。
また、これ以外の人工知能もすさまじい勢いで進化を続けており、その分野でのリーディングカンパニーがオープンAI社でした。

ところが、会社のCEOであるアルトマン氏が先週17日に取締役会で突然クビを宣告されます。
そしてクビになったアルトマン氏をマイクロソフトがスカウトすると発表します。

すると、オープンAI社の従業員の9割近くの人が“こんな会社、私も辞める!”と言いだします。
マイクロソフトは、じゃあ、辞めた従業員さんもウチへおいでよ~、と誘います。

さすがに慌てたオープンAI社の取締役会は、アルトマン氏をCEOに復帰させます。
従業員さんも納得し、取締役会はメンバーが大きく入れ替わることになりました。

そして一週間ほどでこの騒動はおさまりました・・・。

世界一注目されている人工知能の会社が、思いっきりコントのようなドタバタ劇で、一体何が起こっていたのかと不思議でした。
よくある企業内部の権力争いや派閥争いかと思いきや、実は人工知能に対する考え方の違いという、結構深い意味のあるテーマが根底にあるようです。

人工知能の急激な進化と共に、一部の先進的な方々がその危険性について警鐘を鳴らしていました。
その危険性とは、人工知能の進化がどんどん進むと“いずれ人間が人工知能に支配される”というSFのような話です。

そんなもん完全にSFやん!、現実にある訳ないやん!!、と個人的には思っていたのですが・・・、
結構本気でそう思っている人も多く、しかもそう思っている人の多くは人工知能に関する知識や理解が深い方々です。

今回のアルトマン氏解任騒動も、人工知能の開発をどんどん進めたいアルトマン氏と、一定のブレーキをかけたい取締役会の見解の相違が根っこにあったようです。
開発の最先端にいる冷静で理系脳な人達の中に“人工知能に人間が支配されるかもしれない”と本気で危惧している方が一定数いるという事実は、脳天気に人工知能ってスゲ~と眺めている我々一般人にも大きな示唆を与えてくれた気がします。

“人工知能に人類が支配される”って、SFの世界ではなく結構マジな話なのかもしれませんね。