お隣の尼崎市で昨年起きたUSBメモリ紛失事件の続報です。
今週、尼崎市は業務を委託していた会社に対し、3000万円の損害賠償請求を行ったと発表しました。

もう忘れ去られつつある事件ですが、尼崎市民46万人分の個人情報入りUSBメモリを、業務委託先の業者さんが紛失して大騒ぎになった件です。
紛失の経緯は、その業者さんが“お酒飲んで酔っ払って道端で寝込んでカバンごと失くした”ということで、なんとも呆れるやら笑えるやらの事件でした。

笑い話で済んだのは、2~3日後に寝込んだ場所付近でカバンごと無事に発見されたからで、結果オーライではあったものの情報漏洩による大きな実害は無かったという結末でした。
大きな実害は無かったのに損害賠償3000万円とは何?ってことですが、内訳は以下のようです。
1.事件を検証するための第三者委員会の経費等2500万円(データ解析費1500万円含む)
2.市民に説明する為の臨時広報誌の発行費用260万円
3.対応した職員の時間外勤務手当200万円

こういった不祥事が起こると“第三者委員会”を立ち上げて検証!って話をよく聞きますが、めちゃめちゃ費用かかってますね・・・。
まあエライ人達のありがたいウンチクにはお金がかかるものでしょうが、誰がみても“業者も尼崎市も情報管理が甘かった”という結論にしかならない話に対して数千万円レベルの税金が投入されている事に驚きます。

“データ解析費1500万円を含む”ってわざわざ書いてるとこをみると、尼崎市の中の人も“これちょっと高すぎて市民に怒られそうだから、実費っぽく化粧しとけ!”みたいな気配も見え隠れしますが・・・。
さらに、市内全戸に臨時広報誌(事件の説明の為?)を配布して260万円かかったそうですが、そんな事必要???って私が尼崎市民なら思います。

市のサイトに随時情報をアップしていって、その後、最終顛末を定期発行している市報に掲載すりゃ260万円もかからないでしょうし、市民にとってもその程度で十分なんじゃないですかね。
2~3日後に失くした近所でカバンごと無事に見つかってた訳で、その段階で情報漏洩の可能性が低い事は予想できたはずですから。

今回の事件で一番悪いのはUSBメモリを紛失した業者さんですが、尼崎市の情報管理体制の甘さも指摘されております。
ただこの損害賠償請求3000万円の中身を見るに、情報管理も甘いが、コスト管理も甘い(無駄遣いしすぎ?)ことを尼崎市自ら公表しちゃってる気がするのは私だけでしょうか。