政府与党が、法学部を3年で卒業するコースの新設を検討しているという記事が出ていました。
えー!、法学部やったら大学は3年で卒業出来ちゃうの!!、と一瞬驚いてしまいましたが、そういう話ではないようです。
法学部の中に、司法試験を目指す人専用の“法曹コース”なるものを特別につくり、学部卒業後に大学院(ロ-スクール)へ行く事を前提に、学部は3年で終わらそうという趣旨ですね。
つまり、3年で大卒になる訳ではなく、5年で院卒になるという事です。
こんな発想が出てきた原因は、現状の法科大学院(ロ-スクール)卒業を前提とした司法試験制度が崩壊しつつある点にあります。
2006年の司法試験制度の改革以降、いろいろ制度変更を繰り返して迷走を続けた影響もあって、当初74校ほどあったロースクールが39校にまで減少し、受験生自体も減少しています。
ここ最近では、ロースクールを卒業しなくてもいい“予備試験ルート”が人気を集めており、“ロースクールルート”がますます危なくなってきています。
そこで、少しでも“ロースクールルート”の時間面や費用面での負担を緩くして、学生にアピールしようということなんでしょうね。
ただ、こういった小手先の制度変更で学生に媚を売っても、しょせん付け焼刃にすぎない気がします。
少子化による国家資格の志願者減少は弁護士に限った話ではありませんし、適正な状態になるまで自然の淘汰に任せるのが正しい方向のように思います。
これ、理工系ではすでに(私が大学院に進学する頃から)導入されていた制度と同じで、要は「大学3年終了時点で優秀な成績を残した者に大学院受験資格を与える」ってことですよね?(学部は中退扱いになる)
現状、金銭面以外で「急いで学生生活を終わらせるメリット」が無いので、そんなに利用する人はいない気もします。(学部も院も中退になってしまうリスクもあるし)
晋君コメントありがとうございます。
いや、残念ながら理工系の優秀な学生向けの飛び級制度のような美しいものではなく、法科大学院救済と司法制度改革の失敗隠しかと思います。
法学部で優秀な学生は、予備試験ルート(実力主義の近道)で司法試験行ってしまう傾向なので、なんとかそれを阻止して法科大学院ルートという仕組みを維持したいのでしょう。
結果として理工系の飛び級みたいな感じになってますけど、中身はかなり本末転倒な制度改革かと。